天理教愛昭分教会
Heart & Heart

Heart & Heart
-Vol.005-
R169/04/20

武士道精神

4月2日に名古屋市空手道選手権大会が行われました。愛昭青年会委員長の河辺雅之君も出場。見事成年男子有級の部で準優勝しました。そうです、彼は名古屋で2番目に強い男なのです! 彼が準優勝できたのには理由があります。

その理由とは・・普通なら指導者が良かったからと誰しも思うでしょうが?。今回の彼は気合が入っていたからです。気合の入った原因は私が薦めた「国家の品格」という本に感化され、武士道精神が充満していたからだと、私は勝手に思っています。「国家の品格」という本は最近話題になっている本です。書いた人はお茶の水女子大学の教授で数学者の藤原正彦と言う人です。私は空手を教えていますので、本の内容の紹介に出てくる「武士道精神」の復活をという言葉にひかれて本を買ってしまいました。大ベストセラーになったからだと思いますが、3月12日に放映された「報道2001」という番組にも藤原先生は出られていました。巷(ちまた)では賛否両論あるようですが、本を読んだ多くの人は、「久しぶりに感激した!」とか、「読んで日本人としての誇りと自信が湧いた!」という感想を寄せています。私もこの本の中で藤原先生の言われることに共感するところが多くありました。

先生はテレビ番組の中でも『たかが経済』と何度か言われていました。最近のマネーゲーム化している株取引とか企業買収など、お金があればなんでもできるという風潮に喝をいれてくれたらと個人的には期待しています。この本が出版されたのは昨年の11月頃、まだライブドアのホリエモンが世間の一部の人からヒーローに祭り上げられていた時です。特に衆議院の選挙で圧勝した自民党の誰かさん達のリップサービスもあり、将来ホリエモンのようになりたいと言う小・中学生がたくさんいた頃です。本の中でも、「法に触れないのなら何をやってもいいと財力にまかせてメディア買収を試みた人がいますが、日本人の過半数が彼を喝采しているのを見て、なんとも絶望的な気分に襲われました。」と先生はいわれています。「日本が経済的に豊かになったとしても、それで外国に尊敬されるものではない、日本人が持っていた美しい情緒、それに加えて武士道精神という日本の独特の形こそが、日本の普遍的価値である」というのが先生の持論です。

武士道精神とは、まず仏教、特に禅と儒教と神道から影響を受け、昔からあった「日本的霊性・(卑怯なことはいけない等の皮膚感覚の道徳観、行動基準)」と融けあい、昇華したものだそうです。むつかしい表現ですが、日本的霊性とは、日本人が昔から持っていた独自の道徳観だと思います。

以前こんな記事を見たことがあります。ある外国のジャーナリストが「阪神淡路大震災の時、外国ならその混乱の隙を狙って、略奪や暴動が起ったりすることが多いのに、日本にはそうしたことが起きなかった。しかも地域の人が助け合う姿には驚いた。」といったコメントです。こうしたところが、独自のすばらしい日本的霊性というのだと思います。先生は本当に大事なことは、子供が幼いうちから押しつけないといけない。たいていの場合、説明は不要といいますが、「人が困っているときは、力を貸してあげなさい」とか「卑怯なことをしてはいけない」ということも論理で説明することではなく、大事なことは小さいときから押しつけなさいということです。

しかし戦後60年もたち「論理的に説明できることだけを教える」という教育を受けた人たちばかりになった現代では、今後の人間社会の問題の解決は図れない。正しい論理を選ぶためにも、論理以前の総合力、すなわち情緒が重要である。この情緒を育てるには武士道精神の復活が必要だと先生はいわれます。この考えに私は賛同します。この本を読んでお道も同じようなものだと思いました。お道の世界も論理では説明できません。神様のお働き(守護)は、それこそ情緒・美しい心でしか感じられないものではないでしょうか。そうした意味も含め、機会があれば読まれることをおすすめします。一読の価値はあると思います。

田村 道弘
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